Topコンテンツライブラリ企業のお客様設備管理とは?保全管理との違いと体制構築を解説
設備管理とは?保全管理との違いと体制構築を解説

設備管理とは?保全管理との違いと体制構築を解説

設備管理とは、生産設備の計画・調達・導入・運用・保全・廃棄までのライフサイクル全体を組織的に管理する活動です。設備の稼働率向上・保全コスト最適化・老朽化対応・安全確保といった目標を体系的に達成するための管理体系と定義されます。本記事では設備管理の定義・保全管理との役割分担・体制構築の進め方を解説します。

1. 設備管理と保全管理の違い

「設備管理」と「保全管理」は混同されやすい用語ですが、スコープが異なります。保全管理は設備管理に内包されるより狭い概念です。

区分 設備管理 保全管理
スコープ 設備のライフサイクル全体(計画〜廃棄) 設備の運用・保全フェーズに限定
主な活動 設備投資計画・台帳管理・保全管理・更新管理・コスト管理 予防保全・事後保全・点検・修理・記録管理
担当部門 経営・製造・保全・設備管理部門が横断的に関与 主に保全部門・生産部門
時間軸 設備の全使用期間(数年〜数十年) 日常〜計画保全サイクル(日・週・月・年)
目標指標 設備投資ROI・LCC・資産稼働率 MTBF・MTTR・OEE・計画保全比率

2. 設備管理の5つのライフサイクルフェーズ

設備管理では、設備の一生を5つのフェーズに分けて管理します。各フェーズで適切な意思決定を行うことが、総コストの最適化につながります。

フェーズ 主な活動 管理のポイント
①計画・調達 設備投資計画の立案・仕様決定・購買・据付 LCC(ライフサイクルコスト)と保全性を考慮した仕様選定
②導入・立上げ 試運転・検収・設備台帳登録・初期保全 設備台帳への登録と初期不良の早期排除(初期管理)
③運用・保全 日常点検・定期保全・故障対応・記録管理 MTBF・OEEの継続計測とPDCA(保全管理がここを担当)
④改良・更新判断 劣化・老朽化の評価・延命 vs 更新の経済比較 修繕コスト・生産性低下・故障頻度から更新のタイミングを判断
⑤廃棄・処分 撤去・環境法令対応・廃棄記録 廃棄コスト・環境法規制(PCB等)・資産除却の手続き

3. 設備管理の4つの管理領域

設備管理を体系的に進めるには、以下の4つの管理領域を整備する必要があります。

管理領域 内容 主要アウトプット
①台帳管理 全設備の仕様・取得年月日・設置場所・重要度評価・保全履歴を一元管理する 設備台帳(設備マスタ)
②保全管理 日常点検・定期保全・予知保全・修理記録の計画・実施・記録管理 保全計画・保全記録・MTBF/MTTR
③コスト管理 保全費・修繕費・外注費・部品在庫の実績管理と予算管理 保全費率・LCC分析
④更新管理 設備の老朽化評価・更新優先順位付け・設備投資計画の策定 設備更新計画・ROI試算

4. 現場実態:中小製造業の設備管理の課題

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年12月実施、n=500)によると、保全専任担当者が「いない」と回答した工場の割合は従業員10人未満で53.6%に上り、大企業(5.1%)と大きな差があります。中小製造業では設備管理と保全管理の双方を少人数で兼務せざるを得ない実態があります。

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年5月実施、n=500)によると、社長・経営者層が勤める工場では保全人員が「1〜5人」との回答が67.4%(全体24.8%)に上りました。設備管理の意思決定を担うべき経営層が、実態として少人数体制のまま設備台帳・更新計画・保全予算を管理しているケースが多いことを示しています。

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年12月実施、n=500)によると、従業員10人未満の工場の保全担当者の平均81.2%が50歳以上です(大企業30.9%)。設備の構造や保全ノウハウを持つベテランへの依存が、設備管理の属人化と技術伝承の問題を深刻化させています。

製造設備の突発停止、その損失を把握していますか?

八千代ソリューションズの調査レポート「製造設備の突発停止」(n=500)では、設備管理体制が不十分な工場の実態と改善策を詳報。無料でダウンロードできます。

調査レポートを無料ダウンロード

5. 設備管理体制を構築する4ステップ

ステップ 取り組み内容 ポイント
Step 1 設備台帳の整備 主要設備20〜30台から着手し、設備名・型式・取得年月日・設置場所・保全履歴・担当者を一元管理する基盤を作る
Step 2 設備クラス分類と保全方針の決定 重要度A(基幹設備)・B(中重要設備)・C(一般設備)に分類し、Aに予防保全・BにTBM・Cに事後保全を割り当てる
Step 3 保全計画と保全記録の仕組みづくり 年間保全スケジュール・日常点検チェックシート・故障記録のフォーマットを整備し、MTBF・保全コストを継続的に集計できる体制を作る
Step 4 設備更新計画の策定 保全コスト・故障頻度・稼働年数をもとに更新優先順位を設定し、3〜5年の中期投資計画に落とし込む

よくある質問(FAQ)

Q1. 設備管理と設備保全の違いは何ですか?

「設備保全」は、設備の劣化防止・修復のための活動(点検・修理・部品交換等)を指します。「設備管理」はその上位概念で、設備の計画・調達から廃棄まで全ライフサイクルを対象とします。設備保全は設備管理の中核的な活動ですが、設備管理には投資計画・台帳管理・更新管理・コスト管理も含まれます。

Q2. 設備管理に必要な資格はありますか?

法的な必須資格はありませんが、設備管理に関連する資格として「設備管理士」(日本設備管理学会)などがあります。工場の設備種別によっては法定点検・法定資格が必要な場合もあります(クレーン・プレス・高圧ガス等)。実務的には、設備知識・保全計画の立案・コスト管理スキルが重要です。

Q3. 設備管理のKPIは何を使えばよいですか?

①設備総合効率(OEE)②MTBF(平均故障間隔)③MTTR(平均修理時間)④計画保全比率⑤保全費率(保全費÷売上高)の5指標が基本です。設備管理の上流まで含める場合は、設備更新率・修繕費対資産額・設備投資ROIも活用します。

Q4. 設備台帳がない状態から設備管理を始めるには?

まず現場の主要設備を棚卸しし、最小限の項目(設備名・型式・設置場所・取得年月日・担当者)をExcelに入力することから始めます。完璧な台帳を目指すより、「使える台帳を今すぐ作る」ことを優先します。台帳が整備された後に保全計画・故障記録との連携を段階的に進めます。

Q5. 設備管理システム(CMMS)と保全管理システムの違いは何ですか?

保全管理システムは、点検・修理・部品管理などの保全業務に特化したシステムです。CMMS(Computerized Maintenance Management System:コンピュータ化保全管理システム)は保全管理システムの総称として使われます。設備管理システムは、設備台帳・保全管理・更新計画・コスト管理を一体で管理できる上位概念のシステムを指す場合があります。実際には両者の機能範囲に明確な境界はなく、製品によって機能範囲が異なります。

関連記事

設備管理のデジタル化をスモールスタートで始める

設備台帳・保全計画・点検記録・故障履歴・MTBF/MTTRを一元管理し、設備管理体制の構築を支援します。製造業特化の工場管理システムMENTENAにお気軽にお問い合わせください。

MENTENAに問い合わせる

この記事をシェアする