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突発停止の対策:原因分析・予防保全・再発防止の進め方

突発停止の対策:原因分析・予防保全・再発防止の進め方

突発停止の対策とは、製造設備が予期せず停止する「突発故障・突発停止」の発生を未然に防ぎ、発生した場合も迅速に復旧するための予防保全・原因分析・再発防止の一連の取り組みです。突発停止は生産計画の乱れ・残業の増加・不良品の発生・顧客への納期遅延を連鎖的に引き起こします。本記事では突発停止の主要原因・損失の定量化・原因分析・予防保全による対策を解説します。

1. 突発停止の主要原因と分類

原因分類 具体例 根本的な背景
劣化・摩耗の放置 軸受の磨耗・ベルトの亀裂・シール劣化による油漏れ・電気接点の酸化 点検していない・点検基準がない・劣化を認識しても対処しない
異常の見逃し 異音・振動増加・温度上昇のサインを「いつものこと」として放置 異常の判断基準がない・記録されない・担当者に伝わらない
計画保全の未実施 点検予定日が過ぎても実施されない・点検頻度が実態に合っていない 点検スケジュール管理がない・生産優先で保全が後回しになる
部品交換の遅れ 部品の在庫切れで交換できない・交換時期の管理ができていない 部品台帳・交換記録がない・属人管理で担当者変更時に情報が消える
操作ミス・設定誤り 作業者の手順ミス・条件設定の誤り・リセット後の設定戻し忘れ 標準手順書がない・教育が不足・担当者交代後の引き継ぎ不足

2. 突発停止の損失計算

突発停止の損失を経営的に把握することが、保全投資の正当化と優先課題の特定につながります。

損失の種類 計算方法 見落とされがちなコスト
生産損失 停止時間(時間)× 時間当たり生産量 × 製品単価(または付加価値額) 段取り直し・立上げ不良のコストも加算する
修理コスト 部品代 + 外注修理費 + 社内修理工数(時間×時給) 緊急外注は通常の1.5〜2倍のコストになることが多い
品質損失 停止前後の不良品数 × 廃棄・手直しコスト 設備が再起動したばかりの初期不良も計上する
機会損失 出荷できなかった受注量 × 利益率(または受注キャンセル・ペナルティ) 定量化が難しいが最も大きい損失になるケースがある

3. 突発停止対策の4ステップ

Step1:突発停止の記録と見える化

「いつ・どの設備が・どんな理由で・どのくらいの時間止まったか」を記録します。記録がなければ原因分析も対策の効果測定もできません。設備ごとの月間停止時間・停止回数・主な停止原因を集計し、「最も損失が大きい設備・最も頻発する原因」を特定します。停止記録はCMMSまたは紙の記録表で始め、後からデジタル化する順序でも問題ありません。

Step2:原因分析(なぜなぜ分析・FTA)

記録された停止事象に対して「なぜ止まったか」を問い続けるなぜなぜ分析で根本原因を特定します。「軸受が焼き付いた(現象)→潤滑油が不足していた→定期補充されていなかった→補充スケジュールがなかった→誰が・いつ補充するかが決まっていなかった(根本原因)」という流れで原因を掘り下げます。「部品が壊れた」という表面的な原因にとどまらず、「なぜ壊れる前に気づけなかったか・なぜ管理できていなかったか」まで遡ることが重要です。

Step3:計画保全の整備(予防保全の強化)

根本原因が「点検・交換の未実施」にある場合は、計画保全の仕組みを整備します。①設備ごとの点検項目・頻度・担当者を定めた「点検計画」の作成②消耗品・部品の交換時期を管理する「部品台帳」の整備③点検実施状況を追跡するスケジュール管理(CMMSまたはカレンダー管理)の3つが計画保全の基本構成です。

Step4:再発防止策の実施と効果確認

原因分析で特定した根本原因に対して、具体的な再発防止策を実施します。対策実施後は「同じ設備での突発停止回数・停止時間の変化」を3〜6ヶ月追跡し、効果を定量確認します。効果が確認できたら、同種の設備・同種の問題を抱える他の現場に「水平展開」します。

4. 現場実態:突発停止と保全体制の課題

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、工数不明層(保全担当者が明確でない工場)で突発停止に「対策なし」と回答した割合は26.1%に達する一方、保全担当者が明確な工場では4.2%にとどまります。突発停止への対策の差は、「保全担当者が明確に設定されているか」という組織設計の問題に直結しています。

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、専用システム(CMMS等)を導入している工場で突発停止の損失を「詳細に把握できている」と回答した割合は45.3%に達する一方、紙管理の工場では4.3%にとどまります。損失が把握できていない工場では、突発停止対策への投資判断ができず、「壊れてから修理する」事後保全が継続します。

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、専用システム利用者の中でも「定期点検が未実施であることが停止原因」と回答した割合は37.3%に達します。計画はあっても実施管理できていない工場では、突発停止が繰り返されます。点検計画の「作成」だけでなく「実施状況の追跡と未実施への対応」が突発停止削減の鍵です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 突発停止と計画停止の違いは何ですか?

突発停止は予期せず発生する設備の停止で、計画外停止とも呼びます。計画停止は保全・点検・段取り・休憩などのために事前にスケジュールされた停止です。OEE(設備総合効率)の計算では、計画停止は負荷時間から除外し、突発停止(故障停止)と段取り停止(段取り・調整ロス)は6大ロスの中に含まれます。突発停止の削減は稼働率(OEEの時間稼働率)の向上に直結します。

Q2. 突発停止対策で最初に取り組むべきことは何ですか?

最初の一歩は「記録を始めること」です。停止記録がないと、どの設備が最も問題かも、対策の効果も測定できません。紙のシンプルな記録表(設備名・停止日時・停止時間・現象・原因)から始め、1〜3ヶ月分の記録を集計することで「最重点設備・最頻繁原因」が見えてきます。まず記録し、次に分析し、それから対策を講じる順序が重要です。

Q3. 突発停止ゼロは達成できますか?

完全なゼロは現実的には困難ですが、現状の50〜80%削減は適切な計画保全・記録・原因分析の実施で達成できます。目標設定は「突発停止ゼロ」より「月間突発停止時間を現状の半分に削減(6ヶ月以内)」という具体的で計測可能な目標の方が現場で機能します。重要な設備(ボトルネック工程・高損失設備)から優先して対策し、段階的に削減します。

Q4. 中小製造業が突発停止対策を低コストで始める方法は?

最も低コストな出発点は「日常点検の強化」です。オペレーターが始業前・終業後に行う5分程度の点検(油量・振動・異音・温度・清潔さの確認)は設備投資なしで実施でき、多くの異常を早期発見できます。次に「停止記録の整備」で、紙またはスマホで停止原因を記録し月次集計します。この2つだけで、突発停止の30〜40%が削減できるケースがあります。

Q5. 突発停止対策のKPIはどう設定しますか?

主要KPIは①月間突発停止件数②月間突発停止時間③突発停止率(突発停止時間÷負荷時間×100、目標は5%以下)④MTBF(平均故障間隔:長いほど良い)⑤MTTR(平均修理時間:短いほど良い)の5指標です。最初は①②の件数・時間の計測から始めます。6ヶ月間のベースラインデータを収集し、対策実施後の変化トレンドを確認することが効果測定の基本です。

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