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パレート図とは?製造業での書き方・作成手順・不良分析への活用法

パレート図とは?製造業での書き方・作成手順・不良分析への活用法

パレート図とは、問題・不良・クレームの発生件数または損失額を項目ごとに棒グラフで表し、累積比率を折れ線グラフで重ねることで「重点的に取り組むべき問題」を視覚化する分析ツールです。QC7つ道具の1つであり、「上位20%の原因が全体の80%の問題を引き起こす」というパレートの法則(80:20の法則)を根拠に、限られたリソースを最大の効果が得られる問題に集中させる優先付けに活用します。本記事ではパレート図の書き方・Excelでの作成手順・製造業での活用法を解説します。

1. パレート図の構成要素

要素 内容 確認ポイント
棒グラフ(左軸) 各項目の件数・損失額を降順(多い順)で並べた棒グラフ 左から右に向かって棒が短くなるよう並べる。「その他」は最後に配置
折れ線グラフ(右軸) 左から順に累積した割合(0〜100%)を示す折れ線 右軸は0〜100%で設定。最終点は100%になる
80%ライン 累積比率80%に水平線を引いて「重点項目」の範囲を示す 80%ラインを超えた棒グラフ項目が重点改善対象
項目ラベル(X軸) 不良原因・不良モード・製品名・顧客名など分析対象の項目名 項目数が多い場合は上位10項目程度に絞り「その他」でまとめる

2. パレート図の作成手順

Step1:分析対象と集計期間の設定

「何を分析するか(不良件数・クレーム件数・損失コスト)」と「集計期間(直近3ヶ月・1年間等)」を決定します。集計期間が短すぎると偶発的なバラつきが大きく、傾向が読みにくくなります。通常3ヶ月〜1年程度のデータを使用します。

Step2:項目別のデータ集計と降順ソート

不良モード・不良原因・製品ラインなど分析軸ごとに件数・損失額を集計します。集計後、件数が多い順(降順)に並べ替えます。「その他」は複数の小さな項目をまとめたもので、必ず最後(右端)に配置します。

Step3:累積件数・累積比率の計算

左から順に件数を累積し、合計に対する累積比率(%)を計算します。例:不良A=50件、B=30件、C=10件、その他=10件(合計100件)の場合、Aの累積比率=50%、A+B=80%、A+B+C=90%、A+B+C+その他=100%となります。

Step4:グラフ作成(Excel)

Excelでは「件数の棒グラフ」と「累積比率の折れ線グラフ」を組み合わせた複合グラフで作成します。棒グラフは主軸(左)、折れ線グラフは第2軸(右・0〜100%)に設定します。棒グラフ間の隙間をゼロにする(棒の幅を100%に設定)ことでパレート図の見た目になります。

Step5:重点項目の特定と改善計画への展開

累積比率80%までに含まれる項目が重点改善対象です。重点項目に絞って特性要因図やなぜなぜ分析で原因を深掘りし、改善活動に集中させます。改善後に再度パレート図を作成し、改善効果(重点項目の件数減少)を確認します。

3. 製造業でのパレート図の活用シーン

活用シーン 分析軸 活用目的
不良原因分析 不良モード(外観・寸法・機能)別件数 最多不良を特定し、原因分析・対策に集中する
クレーム分析 クレーム原因・製品・顧客別件数 最多クレームの発生原因を絞り込む
設備停止分析 設備別・停止原因別のダウンタイム 停止時間の多い設備・原因を優先保全対象に設定
コスト損失分析 工程別・不良モード別の損失コスト 損失額の大きい問題から改善することでROIを最大化
改善テーマ選定 改善提案数・改善前後の効果額 効果の大きいテーマへのリソース集中

4. 現場実態:パレート図の活用状況

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年5月実施、n=500)によると、製造業の品質担当者のうち「パレート図を使って不良・クレームの優先順位付けを行っている」と回答した割合は全体の36.4%にとどまり、63.6%の工場では発生件数・損失額に基づく優先順位付けを行わず、直感・経験で改善テーマを決定していることが示されています。

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年12月実施、n=500)によると、パレート図を活用して重点改善を実施している工場は、そうでない工場と比較して品質不良件数の削減率が平均32%高いという結果が示されており、データに基づく優先順位付けが改善効果を高めることが確認されています。

よくある質問(FAQ)

Q1. パレート図は何件以上のデータが必要ですか?

統計的な信頼性を確保するには最低30〜50件以上のデータが推奨されます。件数が少ない場合は集計期間を延ばすか、複数工程・複数製品のデータをまとめて分析することで件数を確保します。件数が少ない場合は傾向の解釈に注意が必要です。

Q2. 「その他」の比率が大きくなってしまう場合はどうすれば良いですか?

「その他」の比率が20〜30%を超える場合は、その他の内訳を見直し、細分化できる項目がないか確認します。発生件数が少ない項目が多数ある場合は、「〇〇系不良」のような中分類でまとめ直すと、より実態を反映したパレート図になります。

Q3. 月次と年次でパレート図を使い分けるべきですか?

月次パレート図は当月の緊急対応・重点項目の把握に、年次パレート図は中長期の改善テーマ設定・年度総括に活用します。月次品質会議では月次パレート図を使い、前月比・前年同月比で推移を確認することで改善の進捗を管理します。

Q4. パレート図だけで原因分析は完結しますか?

パレート図は「何が重要か(優先順位付け)」を示すツールであり、「なぜ起きるか(原因分析)」には対応していません。パレート図で重点項目を特定した後、特性要因図でその問題の原因を洗い出し、なぜなぜ分析で根本原因を掘り下げるという一連の流れが有効です。

Q5. 損失コストが不明な場合、件数ベースと損失額ベースのどちらで作るべきですか?

損失コストが算出できない場合は件数ベースで作成します。ただし、1件あたりの損失が大きく異なる問題が混在する場合、件数ベースでは優先順位が歪む可能性があります。損失コストの推算(廃棄損失・手直し工数・クレーム対応コスト)を行い、できる限り金額ベースのパレート図を作成することで、経営層への説明力が高まります。

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