Topコンテンツライブラリ企業のお客様故障分析の手法|製造業のなぜなぜ分析・FMEA・根本原因分析の実務
故障分析の手法|製造業のなぜなぜ分析・FMEA・根本原因分析の実務

故障分析の手法|製造業のなぜなぜ分析・FMEA・根本原因分析の実務

故障分析とは

故障分析とは、設備の故障・停止が発生した際に「なぜ起きたか」の原因を系統的に調査し、根本原因を特定して再発防止策を立案するプロセスです。故障分析を行わずに修理だけを繰り返すと、同じ故障が繰り返し発生し(再発故障)、修理コスト・停止時間が累積します。故障分析は「一度の故障から最大限の改善ナレッジを得る」活動です。

故障分析で重要なのは「真の原因(根本原因)」を探ることです。「軸受が壊れた」「ベルトが切れた」は現象であって原因ではありません。なぜそれが起きたかを掘り下げることで、再発を防ぐ有効な対策が導き出せます。

主な故障分析手法

手法 特徴 適用場面
なぜなぜ分析 「なぜ?」を5回繰り返して根本原因を掘り下げる。シンプルで普及している 発生後の個別故障分析・再発防止策の立案
FMEA(故障モード影響解析) 設備・部品の故障モードを事前に洗い出し、影響度・発生頻度・検知難度でリスク評価 新設備導入前・設計変更前のリスク評価
FTA(故障の木解析) 上位事象(故障)から下位原因を木構造で展開し、複合原因を可視化 複雑な故障・安全事故の原因究明
RCA(根本原因分析) 物理的原因・人的原因・組織的原因(管理上の問題)まで掘り下げる包括的分析 重大故障・繰り返し発生する故障の根本解決
故障モード統計分析 複数故障の記録を集計し、頻度・コスト・停止時間の上位要因を特定 保全計画の見直し・重点対策設備の決定

なぜなぜ分析の実施方法

ステップ 内容 例(モーター停止の場合)
①現象の定義 「何が」「どのように」起きたかを事実で記述 「モーターが突発停止した」
②なぜ1 現象の直接原因を問う →「軸受が破損したから」
③なぜ2 なぜ1の原因を問う →「潤滑グリスが不足していたから」
④なぜ3 なぜ2の原因を問う →「給脂の周期を過ぎても補充されていなかったから」
⑤なぜ4〜5 管理・仕組みの原因を問う(真因) →「給脂スケジュールが誰にも管理されていなかったから」
⑥対策立案 真因に対する再発防止策を立案 →「給脂スケジュールをCMMSで管理し担当者アラートを設定する」

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、専用システムでDXによる再発防止効果に同意した割合が85.3%(紙管理42.2%)に達しており、故障分析の結果をシステムに記録・管理することが再発防止の実行力を高めます。

故障分析の記録と水平展開

  • 故障報告書の標準化:現象・原因・対策・再発防止措置を定型フォームで記録し、後から検索・参照できる状態にする
  • 類似設備への水平展開:同型機・類似機に同じ弱点がないかを確認し、予防的に点検・改善を実施する
  • 定期的な再発確認:立案した対策が実施されたか、その後同じ故障が再発していないかを3〜6ヶ月後にフォローアップする
  • 保全計画への反映:分析で判明した弱点部位を点検計画に追加し、次回から予防点検の対象とする

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜなぜ分析で「なぜ」は何回繰り返すべきですか?
「5回」が目安ですが、3回で根本原因に到達することも7回必要なこともあります。重要なのは「現場の作業ミス」や「部品の劣化」で止めず、「なぜそのような状況を生む仕組みがあるのか(管理・教育・設計の問題)」まで掘り下げることです。「担当者が忘れたから」で止めると「忘れないようにする」という不十分な対策しか出てきません。
Q2. FMEAはどのような場面で実施しますか?
FMEAは主に①新設備・新ライン導入前のリスクアセスメント、②設備の大規模改造前の影響評価、③繰り返し故障が発生している設備の事前対策設計、に活用します。現場の保全活動では「発生後の分析(なぜなぜ)」が中心ですが、重大故障リスクが高い設備については事前にFMEAを実施してリスクを低減することが有効です。
Q3. 故障分析の結果はどのように共有すればよいですか?
①月次の保全会議・朝礼で重要な故障事例を共有する(口頭+1枚の故障報告書)、②保全システムの「故障事例データベース」として蓄積し検索可能にする、③類似設備の担当者に個別通知する、の3段階で共有します。「発生→分析→対策→共有→展開」のサイクルを回すことで、組織全体の保全ナレッジが蓄積されます。
Q4. 故障分析の対象はすべての故障にすべきですか?
すべての故障に詳細な分析を行う必要はありません。「簡易分析(5分)」と「詳細分析(30分〜)」に分けて実施することを推奨します。重要設備の故障・繰り返し発生する故障・生産への影響が大きかった故障は詳細分析の対象とし、軽微な故障・消耗品の定期交換は記録のみで対応します。故障ごとに分析の深度を判断するルールを作っておくと運用が続きます。
Q5. 外注業者が修理した故障の分析はどうすればよいですか?
外注修理後は「修理報告書」を必ず受け取り、①故障の原因、②実施した修理内容、③推奨する今後の対応(点検周期・予防策)を確認します。外注業者の報告書を自社の故障記録に転記・紐づけし、同じ故障が繰り返す場合は「外注任せ」にせず自社で原因分析を実施することが重要です。外注コストの増大は再発故障のサインでもあります。

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