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校正(キャリブレーション)の実務|製造業の測定器管理・周期・記録方法

校正(キャリブレーション)の実務|製造業の測定器管理・周期・記録方法

校正とは(製造業における意味)

校正(キャリブレーション)とは、測定器が正しい値を示しているかを基準器と比較・確認し、必要に応じて調整する作業です。製造業では寸法測定・重量測定・温度管理・電気計測など多様な測定器が品質判定に使われており、これらの精度が確保されていなければ検査結果の信頼性が担保できません。

ISO 9001:2015では「測定機器の校正または検証」が要求事項として定められており、品質マネジメントシステムの観点からも校正記録の整備は不可欠です。八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2024年5月実施、n=500)によると、品質担当者で管理設備が2〜5台の割合は24.2%(全体12.8%)と高く、品質保全の実務では検査機器・計測器の校正管理が中心業務であることが示されています。

校正が必要な主な測定器

測定器種類 用途 校正頻度の目安
ノギス・マイクロメータ 寸法測定 年1〜2回または使用頻度に応じて
ダイヤルゲージ・シリンダーゲージ 内径・変位測定 年1〜2回
トルクレンチ 締め付け管理 年1回または規定使用回数で
温度計・熱電対 炉温・乾燥温度管理 年1〜2回
天秤・はかり 重量測定・配合管理 年1回(定期点検)
電流計・電圧計 電気系品質管理 年1〜2回
圧力計 設備圧力管理 年1回

外部校正と内部校正の使い分け

区分 内容 メリット デメリット
外部校正(JCSS校正) 国家標準に遡及できる認定校正機関による校正 第三者保証・顧客・審査に説明しやすい 費用が高い・時間がかかる
内部校正 社内の基準器を使って自社で実施する校正 コスト低・即時対応可能 社内基準器自体の管理が必要

一般的には、基準器(マスター)は外部校正でトレーサビリティを確保し、日常使用の作業用測定器は内部校正で管理するという二段構成が合理的です。顧客要求・ISO審査・製品の品質要求レベルに応じて使い分けを決定します。

校正周期の設定方法

  • 測定精度の要求レベル:高精度が求められる測定器ほど短い周期で校正する
  • 使用頻度・使用環境:頻繁に使用するもの・振動・高温環境下では劣化が早い
  • 過去の校正結果の傾向:「前回校正時に大きなズレがなかった」測定器は周期を延長できる
  • メーカー推奨周期:取扱説明書や仕様書に記載された推奨校正周期を参考にする

校正記録の管理方法

ISO 9001では校正記録の保管が要求されます。記録すべき内容は以下の通りです。

記録項目 内容
測定器識別番号 測定器に固有のID・管理番号を付与
校正日・次回校正予定日 カレンダー管理でアラートを設定
校正方法・使用基準器 手順書への参照・基準器の校正証明書番号
校正結果(測定値・判定) 合格・不合格・調整内容
校正担当者 資格・権限の確認

校正期限切れの測定器を使用した製品が発覚した場合、過去の測定値の信頼性を遡って調査する必要が生じます。デジタル管理でアラート通知を設定し、期限切れを未然に防ぐ運用が実務の標準です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 校正と点検・調整の違いは何ですか?
校正は「基準と比較して誤差を確認すること」であり、調整(修正)は必ずしも伴いません。点検は測定器の外観・動作確認であり、校正より広い概念です。ISO 9001では「校正または検証」が要求されており、調整は誤差が許容範囲外の場合に行います。
Q2. 社内で校正できる測定器の条件は何ですか?
社内校正が可能な条件は①基準器(マスター)が外部校正で国家標準にトレーサブルであること、②校正手順書が整備されていること、③校正担当者が適切な教育を受けていること、④校正記録が保管されること、の4点です。
Q3. 校正証明書はいつまで保管すればよいですか?
ISO 9001では保管期間の具体的な年数は規定されていませんが、製品の品質記録に準じて5〜10年保管するケースが多いです。顧客要求・業種規制(医療・食品など)によってはより長期の保管が求められる場合があります。
Q4. 校正期限が切れた測定器で測定した製品はどうすればよいですか?
測定器を即座に使用停止にし、校正を実施します。不合格(大幅なズレ)が確認された場合、その測定器を使用した期間の製品の再検査が必要になります。影響範囲の特定・顧客への報告が必要なケースもあり、校正期限の管理が重要です。
Q5. JCSS校正と一般校正の違いは何ですか?
JCSS(Japan Calibration Service System)校正は、産業技術総合研究所が認定した校正機関による国家標準トレーサブルな校正です。校正証明書にJCSSマークが付与されます。一般校正はトレーサビリティが保証されますが、JCSSマークは付きません。顧客や審査で「JCSSトレーサブル」を求められる場合はJCSS校正が必要です。

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