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保全記録の管理方法|製造業の設備保全記録の作り方・デジタル化・活用法

保全記録の管理方法|製造業の設備保全記録の作り方・デジタル化・活用法

保全記録の管理とは

保全記録とは、設備の点検・修理・部品交換・オイル交換などの保全活動を記録したドキュメントです。保全記録は「設備の履歴書」として機能し、過去の故障傾向の分析・次回点検時期の判断・類似設備への水平展開に活用されます。記録が整備されていない現場では、保全担当者の経験に頼る「属人保全」が継続し、担当者の退職とともにノウハウが失われます。

保全記録管理の目標は「後から見た人が同じ判断・対応ができる状態」を作ることです。記録の品質が保全品質を規定します。

保全記録に記録すべき内容

記録項目 記録内容の例 なぜ必要か
設備情報 設備名・機番・設置場所・メーカー・型式 対象設備の特定・メーカーへの問い合わせ時
実施内容 点検項目・実施した作業内容・使用部品・使用工具 再現性の確保・次回作業の準備
測定値 振動値・温度・電流・油量・圧力など 経時変化のトレンド監視・異常判定の根拠
判定結果 正常/要注意/異常・次回点検時期 フォローアップの必要性判断
担当者・日時 作業者名・実施日時・所要時間 工数把握・責任の明確化
費用情報 使用部品の品番・数量・費用 保全コストの集計・予算管理

保全記録の管理方式と比較

管理方式 メリット デメリット
紙(点検票・ノート) 初期コスト不要・現場で書きやすい 検索困難・転記ミス・紛失リスク・集計に時間
Excel・スプレッドシート 集計・グラフ化が容易・低コスト 複数人の同時編集困難・バージョン管理ミス・モバイル非対応
保全管理システム(CMMS) モバイル入力・自動集計・アラート・設備台帳連携 導入費用・使い方の習得が必要

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、保全担当が明確な組織(保全管理80%層)では「記録している」が90.1%に達する一方、工数不明層では21.7%にとどまり、保全役割の明確化が記録定着の前提条件になっています。

記録の整理・活用方法

  • 設備別にまとめる:同一設備の記録を時系列で一元化し、「故障履歴グラフ」として可視化することで劣化傾向が見えやすくなる
  • 故障原因の分類:記録に「故障原因(潤滑不良・過負荷・経年劣化など)」の分類コードを付与し、原因別の件数集計で再発防止策の優先順位を決定する
  • 類似設備への水平展開:一台で発生した故障パターンを同型機の点検計画に反映し、未然防止につなげる
  • 保全計画の見直し:記録データから「実際に発生している故障」と「予防保全計画」のギャップを分析し、点検周期・内容を最適化する

紙記録からデジタルへの移行ステップ

ステップ 内容 ポイント
①現状把握 現在の記録様式・保管方法・運用フローを整理 「使っていない記録票」を廃止するよい機会
②設備台帳の整備 全設備の基本情報(設備名・型式・設置場所)をマスタ化 台帳なしのデジタル化は記録の紐づけができない
③入力項目の設計 紙の記録票をデジタルフォームに置き換え(必須項目を絞る) 入力項目を増やしすぎると記録が定着しない
④モバイル運用開始 スマートフォン・タブレットで現場入力を開始 まず1ライン・1設備から試験運用して改善する
⑤活用・改善 集計データを保全会議・改善活動に活用し、記録の「価値」を実感させる 記録することの意義が見えると継続率が上がる

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年3月実施、n=500)によると、専用システム利用者では「定期的に記録している」が50.0%に達する一方、非利用者では13.5%にとどまります。記録の習慣化にはシステムのサポートが有効です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 保全記録はどのくらいの期間保存すべきですか?
法定点検(電気保安・ボイラー等)の記録は法令で保存期間が定められています(電気事業法:3年、ボイラー及び圧力容器安全規則:3年等)。法定記録以外の日常保全記録は社内規程で定めますが、設備の故障傾向分析には最低3〜5年分のデータが有効です。設備の廃棄まで保管することが理想で、廃棄時の判断材料にもなります。
Q2. 記録内容が担当者によってバラバラになります。統一するには?
①記録フォームの標準化(自由記述を減らし選択式・数値入力を増やす)、②記録の記入例・見本を作成してフォームに掲示、③定期的に記録内容をレビューして「書き方の差異」をフィードバックする、の3点が有効です。「何を書けばよいかわからない」という不安が記録の質低下の主因なので、「こういう状態なら○○と書く」という判断基準の共有が重要です。
Q3. 点検票(チェックリスト)はどのように作ればよいですか?
①設備ごとに「チェックしてほしい項目」を保全担当者とオペレーターで棚卸し、②各項目に「正常の基準(数値・見た目)」と「異常時の対応手順(誰に報告するか)」を明記します。項目数は15〜20項目以内が現実的で、それ以上になる場合は「日常点検票(毎日)」と「定期点検票(月1回等)」に分割します。
Q4. 写真記録はどのように活用できますか?
写真記録は「異常の程度の可視化」と「修理前後の比較」に特に有効です。劣化部品・損傷部位・修理後の状態を写真に残すことで、次回点検時の「以前と比べてどうか」の判断が容易になります。スマートフォン対応の保全アプリでは写真をその場で記録に添付でき、事務所への持ち帰り・転記が不要になります。
Q5. 突発故障の記録と定期点検の記録は同じフォームでよいですか?
基本的には分けることが推奨されます。定期点検記録は「計画通り実施したことの証明」、突発故障記録は「なぜ起きたか(原因)・どう直したか(処置)・再発防止策」が中心です。突発故障記録には「故障モード・推定原因・再発防止策」の欄を設け、後から原因別の集計・分析ができるように設計することが重要です。

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