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電気設備の保全とは|製造業の制御盤・モーター・絶縁管理の実務

電気設備の保全とは|製造業の制御盤・モーター・絶縁管理の実務

電気設備の保全とは

電気設備の保全とは、製造設備の動力源・制御系・計装系を構成する電気機器(モーター・制御盤・インバーター・配線・センサー等)の劣化管理・絶縁確認・接触不良の防止・安全確保を目的とした保全活動です。電気系のトラブルは突発停止の主要因の一つであり、絶縁劣化が進んだ状態では火災・感電事故にもつながります。

電気設備の保全は「電気工事士」「電気主任技術者」等の資格が一部作業に必要なため、自社の有資格者の体制と外注の適切な組み合わせが重要です。

製造設備の電気系統の構成

構成要素 役割 主な故障モード
モーター(電動機) 設備の動力源 巻線焼損・軸受損傷・絶縁劣化・過負荷
インバーター(VFD) モーターの速度制御・省エネ IGBT素子劣化・コンデンサ膨張・冷却ファン停止
制御盤・分電盤 シーケンス制御・電源分配 接触不良・ブレーカートリップ・PLC故障
センサー・スイッチ 位置検出・安全インターロック チャタリング・誤動作・断線
配線・ケーブル 電源・信号の伝達 絶縁劣化・断線・接続部の腐食

電気設備の主な点検項目と方法

点検項目 方法 判定基準
絶縁抵抗測定 絶縁抵抗計(メガー)による測定 低圧回路:1MΩ以上(JIS C 0364基準)
接地抵抗測定 接地抵抗計による測定 第3種接地(100Ω以下)等、種別により異なる
熱画像検査(サーモグラフィー) 赤外線カメラで制御盤・端子台・コネクタを撮影 同条件の端子と比べ10℃以上の温度差で要注意
端子の増し締め 締め付けトルクレンチ・ドライバーで端子ねじを確認 緩み・焦げ痕なし
コンデンサ確認 目視(膨れ・液漏れ)・容量測定 膨れなし・仕様容量の±20%以内
冷却ファン動作確認 制御盤・インバーターの冷却ファンの回転確認 異音・停止なし

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年10月実施、n=500)によると、保全担当者の60.3%が老朽化による保全コスト増を認識しており(非担当27.6%)、制御盤・インバーター等の電気部品は経年劣化(コンデンサ・IGBT素子の劣化)により突発故障のリスクが年々高まります。

サーモグラフィー(熱画像検査)の活用

サーモグラフィー(熱画像カメラ)を用いた検査は、制御盤内の接触不良・過負荷・コネクタ劣化を非接触・非停止で早期発見できる予知保全技術です。通電中の制御盤・配線を撮影し、正常部位との温度差(ホットスポット)を検出します。

  • 活用場面:制御盤の端子台・ブレーカー・リレー・動力盤のバスバー・モーター端子箱
  • 点検周期:主要設備は年1〜2回。負荷が大きい設備や老朽制御盤は半年ごとが推奨
  • 温度差の判定目安:同条件の端子と比べ10℃以上の差→「注意」、20℃以上→「危険・要対処」(IEC 60947-1等を参考)

電気設備の法定点検

点検の種類 根拠法令 周期・内容
低圧電気設備の定期点検 電気事業法・内線規程 年1回以上の自主点検が推奨
高圧受電設備の保安点検 電気事業法 月次・年次点検(電気主任技術者が実施)
特別高圧受電設備 電気事業法 月次・年次点検(選任主任技術者)

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年10月実施、n=500)によると、マネジメント層の41.2%が「安全性・法規制リスク」を老朽化課題の最重要事項と認識しており(他24.9%)、電気設備の絶縁劣化による感電・火災リスクは法的責任と直結します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 絶縁抵抗測定を実施するタイミングはいつですか?
①定期点検(年1回以上)、②設備の長期停止後(休暇明け・長期メンテナンス後)、③漏電ブレーカーのトリップが発生した直後、④モーターの温度上昇・振動増大が確認された時、に実施します。測定値が前回より大幅に低下した場合は、絶縁劣化・湿気混入・汚染が進行しているサインです。
Q2. 制御盤の端子の増し締めはどのくらいの頻度で実施すべきですか?
設備の稼働環境(振動・温度変化)によりますが、一般的に年1〜2回が目安です。振動が大きい設備・温度変化が激しい環境では半年ごとが推奨されます。増し締めを怠ると端子の緩み→接触抵抗の増大→発熱→焦げ→配線断線・火災のリスクが高まります。増し締め時は必ず電源を落とし、ロックアウトタグアウト(LOTO)手順を遵守します。
Q3. インバーターの寿命・交換目安はどのくらいですか?
インバーターの主要な消耗部品はコンデンサー(電解コンデンサ:寿命5〜10年)と冷却ファン(寿命2〜5年)です。これらの部品寿命が主なインバーター交換・整備のタイミングです。使用環境(温度・湿度・粉塵)によって大きく変わるため、定期的なコンデンサの容量測定・外観確認(膨れ・液漏れ)を実施します。メーカーの推奨整備周期も参考にします。
Q4. PLC(プログラマブルコントローラー)の保全で注意すべきことは?
①バッテリーの定期交換(バッテリーバックアップのあるPLCは2〜5年ごと)、②プログラムのバックアップ(交換・故障時に備えてデータを別媒体に保存)、③メーカーサポート終了(EOL)の確認と後継機への移行計画、④ほこり・異物の侵入防止(制御盤の清掃・エアフィルター点検)、⑤FW・ソフトウェアのバージョン管理、の5点が重要です。
Q5. 電気設備の保全記録で残すべき内容は何ですか?
①点検実施日・設備名・点検箇所、②絶縁抵抗値・接地抵抗値(測定値と判定結果)、③サーモグラフィー画像と最高温度値、④端子の増し締め確認結果、⑤交換した電気部品(品番・規格・数量)、⑥異常発見と対処内容(工事方法・施工者)、を記録します。電気設備の記録は法定点検の証拠書類にもなるため、少なくとも5年以上の保管が必要です。

電気設備の点検記録・法定点検管理の一元化

MENTENAは電気設備の点検記録・絶縁測定値・交換部品履歴を一元管理し、法定点検の期限管理と電気系トラブルの再発防止を支援します。

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