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段取り改善の進め方|製造業での段取り時間短縮・SMED・内外段取り分離

段取り改善の進め方|製造業での段取り時間短縮・SMED・内外段取り分離

段取り改善とは

段取り改善とは、製品切り替え・工具交換・設備調整などの段取り作業にかかる時間を短縮することで、設備稼働率の向上と多品種少量生産への対応力を高める改善活動です。OEEの「稼働率」低下要因の大きな部分を占める段取りロスを削減することで、生産性と柔軟性を同時に改善できます。

段取りロスの現状把握

段取り時間の内訳 内容例 改善余地
治具・工具の探索・移動 次品の金型を倉庫から出す・置き場が不明 大きい(5S・定位置管理で即改善可)
取り付け・取り外し作業 ボルト締め・チャック交換・刃具取り付け 中(工具変更・ワンタッチ化で短縮)
調整・試し打ち 位置出し・条件合わせ・試作品の確認 大きい(標準化・記録活用で削減)
清掃・点検 前品の残材除去・設備清掃 中(段取り中に行う vs 外段取り化)
書類・データ準備 作業指示書の準備・条件表の参照 中(デジタル化・事前準備で短縮)

SMED(シングル段取り)とは

SMED(Single Minute Exchange of Die)とは、段取り時間を10分以内(シングル=1桁分)に短縮することを目標とした改善手法です。トヨタ生産方式(TPS)の源流の一つであり、内段取りと外段取りの分離が基本概念です。

  • 内段取り:機械を停止しなければできない作業(金型交換・チャック取り付けなど)
  • 外段取り:機械を動かしながら事前・事後にできる作業(次品の準備・片付けなど)

SMED改善の基本ステップは「現状の内段取りを洗い出す→外段取り化できる作業を移す→内段取りを標準化して最短化する」の流れです。

SMED実施の具体的手順

ステップ 内容
①現状記録 段取り作業をビデオ撮影・タイムスタディで現状時間を把握
②内外段取りの分類 全作業を「停止中必須」vs「事前/事後可能」に仕分け
③外段取り化 「事前/事後可能」な作業を前倒し・後回しにして内段取り時間を縮小
④内段取りの効率化 作業順序の最適化・ワンタッチ化・2人作業への変更など
⑤調整作業の削減 基準位置のマーキング・条件の標準書化で試し打ちを最小化
⑥標準書化・教育 改善後の手順を作業標準書にまとめ全作業者に展開

段取り短縮の効果計算

段取り短縮が稼働率向上にどう寄与するかを計算します。

例:1日4回段取りがあり、1回60分→30分に短縮した場合
短縮時間=4回×30分=120分/日
稼働時間480分の場合、稼働率向上=120÷480=25%の生産能力増加

八千代ソリューションズ株式会社によるオンライン調査(2025年10月実施、n=500)によると、小規模工場(1〜99人)では設備更新がほぼ議論されない割合が40.2%に達しており、設備投資なしで生産性を上げる段取り改善は中小製造業にとって特に有効な手段です。

段取り改善のよくある失敗と対策

  • 現状把握が曖昧なまま改善に入る:ビデオ撮影・タイムスタディで事実を確認してから改善案を立案する
  • 調整作業削減を諦める:調整時間の多くは「条件が記録されていない」ことが原因。条件の標準書化と基準マーキングで大幅削減できる
  • 改善効果が定着しない:改善後の手順を標準書化し、新しい方法を教育・定着させる仕組みがないと元に戻る

よくある質問(FAQ)

Q1. SMED改善はどの設備・工程から始めればよいですか?
段取り頻度×段取り時間が最大のボトルネック工程から始めます。段取りロスが全設備の中で最も生産性低下に影響している工程を特定するため、まず各設備の段取り時間を計測・集計することから始めます。
Q2. 段取り短縮に設備投資は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。内外段取りの分離・5S整備・条件の標準書化・作業順序の見直しは投資なしで実施できます。一定の段取り短縮を達成した後で、ワンタッチクランプや自動位置決め機構の導入を検討するのが合理的な順序です。
Q3. 多品種少量生産の現場で段取り改善はどれだけ効果がありますか?
多品種少量生産では段取り回数が多いため、段取り改善の効果が最も大きく出る環境です。段取り短縮でロットサイズを小さくする余裕が生まれ、さらに生産の平準化・リードタイム短縮にもつながります。
Q4. 段取り改善の効果はOEEにどう反映されますか?
段取り時間はOEEの「稼働率(Availability)」に影響します。段取りロスが減るほど計画停止時間が短縮され、稼働率が向上します。OEEの計算式でLoading Time(計画稼働時間)と実稼働時間の差分に段取りロスが含まれる場合とそうでない場合があるため、自社の計算方式を確認してください。
Q5. 段取り時間の記録はどのように管理すればよいですか?
作業日報・生産実績記録に段取り開始・終了時刻を記録する欄を設け、毎日集計します。設備・製品ごとの段取り時間推移を月次でグラフ化し、改善効果の可視化と新たな問題の早期発見に活用します。

稼働率・段取りロスのデジタル管理

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